【読み:あさ】
もともとは大麻から作られた繊維をさしましたが、後に亜麻、苧麻などから作られる繊維も、総じて麻と呼ばれるようになりました。「麻」として一般にイメージしやすいのは、亜麻から作られたリネンです。
亜麻から採れる繊維をリネン、苧麻から採れる繊維をラミー、大麻から採れる繊維をヘンプと呼んで区別することもあります。
現代は、主として越後、能登、近江、沖縄などでつくられ、新潟県の小千谷縮と越後上布は年に工芸品ではじめてユネスコの無形文化遺産に登録されました。
麻は夏用となっていますが、古い時代は丈夫な麻は日常着、労働着で、冬の衣料としても重ね合わせたり、綿入れに縫って用いています。
盛夏には張りがあって涼しげですが、正座すると横じわになります。麻を着た後は、必ず霧を吹いてから「敷きのし」をしてしわを取ります。霧吹きの水で麻の繊維をよみがえらせるのです。繊細な麻のきものにアイロンは禁物です。