【読み:もばかま】
女性用の下衣です。下級の女官が多く用いました。平安時代、女性は、常に袴をはき、正装は「唐衣」と「裳」をつけました。しかし、衣生活が簡略化されるようになると、「袴」や「裳」を重ねて着るのが不便になったため、この二つが一つになりました。それがこの「裳袴」です。身丈は、対丈かそれより短く、襞をとって、腰は袴と同様につけます。したがって、後ろ姿は、短い「裳」をつけたようになります。すでに、平安時代に用いられていたことは、『大鏡』[治安3年(1023)]の条で明らかですが、のちに小袖の発達で「湯巻き」同様、小袖とともに用いられることもありました。