【読み:しなぬの】
科の木はシナノキ科の落葉喬木でかつては日本各地の山野に自生していました。高さ10mにもなりますが、科布には太すぎても細すぎても不向きで、10cmほどの太さの幹がよいとされています。この木を切り倒して皮を剥ぎ、煮出し、川で「しなこき」をし、細く裂き、さらに「しなうみ」をして長い糸を作ります。もともともっている繊維の性質や色を生かして織るため、仕上がった布には何ともえいない素朴な味わいがあります。帯の場合、何度も締めていくうちに柔らかくなりますが、おろしたてで堅く扱いにくいときは、霧吹きなどで少し湿気を与えるとよいです。