【読み:きりだんす】
桐は湿気が強いと木の繊維が膨張し、外からの水気を中に入れないようにしますし、乾燥期には繊維も縮んで、内の湿気を外に出してくれる性質があります。柾目の美しさと、なめらかな肌だわりは絹のやわらかさとどこか似ているように思われます。桐の他に樽の木や欅も和ダンスに適しています。いずれもよく乾かした木材を使用しなければいい和ダンスはできないそうです。 桐は大きいところでタンスを作り、それから小引き出し、小箱、ゲタ、ハシ、しかもかんなくずは陶器を磨いたり、藍だてのために燃やしたり、最後の最後まで、ほんの小さなものまで使用します。こういうところもどこか絹と似ています。 桐ダンスは表面が汚くなるとけずってまた使います。それが四回ぐらいできるので一〇〇年以上は新しい状態のまま用いられます。