【読み:いしょうし】
素材や太さ、色などの異なる糸を2~3本撚り合わせたり、特殊な機械操作によって部分的に太い部分をつくったり、ネップを撚り込んだり、色合い、撚り数などの故意に不均一にしたりして、変化に富んだ装飾的な外観をもたせた糸を意匠糸またはファンシー・ヤーン、飾り糸といいます。この意匠糸は婦人衣料用として多く使われます。意匠糸にはつくり方によって次の二種を大別することができます。
(1)糸をつくる段階で、変化をもたせる。すなわちスラブヤーン、太さをいろいろに変化させるストラクチャードヤーン、ネップヤーンなどです。これらは単糸の意匠糸となります。
(2)撚糸することによって変化を持たせる。ループヤーン、リングヤーンなどです。これらはすべて双糸となります。
意匠糸としての定義には明確なものがないので、杢糸や霜降り糸など色の変化だけの糸も意匠糸に入れている向きもありますが、多くの場合、形に変化のある糸を意匠糸といっています。しかし形だけでなく、形と色の両方をとり入れた意匠糸も多くあります。すなわちループ側の糸の色とベースになる糸の色を変えたり、ネップの色を変えたりすればさらに意匠的な効果を出すことができます。一般に意匠糸を使うには全面的に使うことは少なく、普通、糸の中に数本おき~数十本おきに配して使うことが多くなっています。