【読み:もーるおり】
緯糸に多色を用いて、繻子織りの地に複雑な浮き模様を織り出す「繻珍」の一種ですが、その模様の部分の浮き糸を、別に挿入した糸で平織り状にからめて押えるのが特徴です。外観は、緞子に似ています。緯糸に金糸や銀糸、芯糸に銀の薄片を巻きつけたり、金、銀の鍍金をほどこした糸などを用いたものを、それぞれ「金モール」、「銀モール」とよびます。慶長年間(1596~1615)にオランダ、イギリス領であったインドから日本に伝えられ、やがて国内でも生産されるようになりました。江戸時代末期には、女物の帯地として広く用いられました。