【読み:ふろしき】
物を持ち運んだり収納したりする為の正方形に近い形の布のことで、昔は衣包、平包と呼ばれていました。平包という言葉は風呂敷の包み方の一つとして今も残っています。一枚の布で様々の形状、大きさのものを包むことができるため広く普及していきました。
風呂敷という言葉自体の記録としては、駿府徳川家形見分帳の記載が最初のものとされています。室町時代末期に大名が風呂に入る際に平包を広げその上で脱衣などして服を包んだ、あるいは足拭きにしたなどの説があります。江戸時代、銭湯の普及とともに庶民にも普及しました。
風呂敷の柄付けには、吉祥文様、四季の草花、渡来文様の更紗や縞などあらゆるものが取り入れられています。とくに唐草文様は大型木綿の風呂敷の代表ともなり、大切なものは紫のきれで包まれました。
昔は白山紬の二幅地、三幅地と大小とりそろえ、家紋を白抜きに松葉色に染めた風呂敷を家の道具として必ず用意したものですが、最近ではナイロンのありあわせしか使わないという考えもめずらしくありません。
一方で、近頃は若い人がきものを着てご挨拶に行く時など、進物の箱を包む風呂敷をアクセサリーとして選ぶようです。きもの姿に配色の良いきれいな風呂敷を使いこなせば、優美なワンポイントのアクセントになると思われます。