長襦袢とは

【読み:ながじゅばん】

和服の下着で、長着の下に着るものです。ポルトガル語のgibãoが語源です。きものに汗や垢などの汚れが付くのを防ぎます。
長襦袢は、肌着の上、きものの下で、インナーの役割をします。袖口やふき、裾などから襦袢が見えることから、色合わせや柄など、襦袢にこだわるのもお洒落の楽しみといえます。 仕立てにより、着用季節が異なります。袷仕立てと呼ばれる、表地に裏地を縫いつけてあるものは、12月~3月に用います。胴の部分には裏地をつけ、袖は襦袢の表地と同じ生地にする無双袖となっています。袷仕立ては昔ながらの仕立てなので、格式を重んじる場合や、寒冷地で保温目的の場合に多く用いられます。現在は胴抜き単衣仕立てが多くなり、あまり一般的ではないようです。
胴単衣、または胴抜きと呼ばれるものは、10月~5月まで着用できます。袷の長襦袢があまり見かけられなくなり、いまではこの胴抜きがポピュラーで、着用期間が長いものといえます。かさばらないことがメリットです。胴の部分には裏地をつけないで、居敷あてとよばれる腰から下を覆う補強布をつけて、袖は襦袢の表地と同じ生地で無双袖になっています。
単衣長襦袢は、夏に着用します。すべての部分にわたって裏をつけず、表地1枚で仕立てて、折り返しも少なめにして涼しさを優先する仕立てになってます。単衣長襦袢は夏用ですので、絽・紗・麻・上布などで仕立てます。

長襦袢の前身頃にはいくつか特徴があり、通し襟で、衽のない形のものが関東仕立てとよばれ、衽のような竪襟がついた形のものが関西仕立てと呼ばれています。通し襟の場合、形の特徴から、やや襟元がはだけやすいようですが、用布が少なくても仕立てられるメリットがあります。また、長襦袢でもおはしょりができるように仕立てられたものもあります。襟の形も、広襟、撥襟の種類があります。 長襦袢は着用の前に、襟に半襟を縫い付けておきます。また、着るときには襟芯を用いて、襟の形を整えます。

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