【読み:ゆき】
きものの寸法を表す言葉で、背中心から袖口までの長さです。肩幅と袖幅を合わせたもので、測り方は二通りあります。 ひとつは、腕を地面と水平に上げ伸ばし、首の後ろ中央の頚椎から肩の真上を通して、手首のくるぶしまでを測り、1~2cm加える方法です。1~2cm加えるのは、腕を下げたときに裄丈が短くなりすぎないようにする配慮で、肩や二の腕の厚みを考慮したものです。 もうひとつは、腕を45℃くらいに上げて、首の後ろ中央の頚椎から肩の真上を通して、手首までを測る方法です。腕を下げた状態に近く、自然な動きに沿う袖丈を測る方法とされます。
裄丈は、腕を真下に下ろしたときに、きものの袖口が手首のくるぶしにかかるかどうかがポイントになります。 基本的には手首の関節が見えるのがいいそうです。関節が隠れる丈になると、袖に腕がもぐっているような印象になり、すっきりしないとされます。 裄を測るときに、腕を下に下げた状態で測ると、結果的に、手が袖の中に隠れるほどの寸法になってまいます。そのため、腕は下に下ろして測らないようにします。 洋服の袖丈と、感覚が違うので、注意の必要なポイントです。
襦袢ときもの、羽織で裄丈が変わります。重なったときに下になるものが飛び出さないように、襦袢の裄はきものの裄より2分=約8mm控え、きものの裄に1寸3分=約0.5cm加えます。