【読み:おめし】
御召とは御召羽二重、御召小葵のように、天皇や将軍の御召料として用いられる織物につけられていた総称であり、柳条縮緬のごく上等なものが御召料とされたために御召縮緬と呼ばれるようになったと考えられています。
この御礼縮緬を好んで着用したのが十一代将軍・徳川家斉(在職1787 ~1837)で、納戸地に白の万筋があり、約7ミリおきに横筋のある格子柄を将軍専用の「留柄」にしたほどでした。
先練り先染めの高級な絹織物で、縞御召や絣御召のほか、無地御召、紋御召、見通御召、絵緯御召、縫取御召などがあります。また訪問着のように、柄を絵羽付けにした御召訪問着もあります。種類が多いので、技法的にも少しずつ異なりますが、白縮緬と同じように緯糸に強い撚りをかけて織り、最終的にはその撚りを戻して、布面に細かいしぼを生じさせた正絹織物です。
京都の西陣、新潟県の塩沢、十日町、山形県の白鷹、群馬県の桐生などが産地として有名です。男物の御召は、きものや羽織りに縫い紋をつけると略正装となります。 きりっとした御召には、古典柄の織なごや帯、しゃれた染帯、更紗帯などがよく似合います。その季節の草花や扇などのモチーフをあらわした帯を締めることで季節の演出をすることもできます。