【読み:げんぷく】
公家以上の人たちの間では、古来より、男性がはじめて冠をかぶる儀式を「元服」といいました。その際、眉毛をそりおとして、額ぎわに高眉をつけ、鉄漿で歯を染めましたが、武家社会では、冠の代わりに烏帽子をかぶりました。
近世になって、民間では、若衆髷の前髪をそりおとし、月代の頭、つまり、本多髷にするのを「元服」とし、それまでの振袖にかえて、留袖を着ました。
「元服」をする年齢は、一定していませんが、大体は10代で、近世社会では、15歳で行なわれていました。なお、江戸時代には、女性も18歳になると振袖を留袖にかえ、「元服」としました。今日では、「元服」を「成人式」と称し、20歳の年を祝う儀式となりました。