【読み:かみがたふうぞく】
近世の京都、大坂の風俗をいいます。「江戸風俗」に対比したもので、江戸が渋くてさっぱりした風俗を育てたのに対し、こちらは、濃艶華麗な風俗です。
京の公家文化伝統に育った町衆と、経済の中心として蓄積された富を握る大坂の「札差」たちが、優雅さの上に、武士の豪放さを加えてつくり上げた町人文化で、「元禄風俗」として開花しました。
その金に糸目をつけない豪華さは、幕府の取り締まるところとなり、また、文化の中心は、江戸に移りましたが、厚化粧や、華麗な友禅染めといった精神は引き継がれて、多少見栄えが悪くても、高価でしかも長持ちする「粋」な風となり、おりにふれ、新しい流行をおこして、「文金風」や、「金々先生」というような江戸の「粋」や「通」の土台となりました。