【読み:ちゃやつじ】
江戸時代の染色方法の一つです。京都の呉服商・茶屋四郎次郎の考案とされています。 藍の濃淡で山水や楼閣、花鳥、雲取などの細やかな模様を総模様に染めた茶屋染めに摺り疋田や刺繍が加えられたものです。涼やかな水辺の風景をあらわしています。 茶屋辻の「辻」は「帷子」のことで、茶屋模様の帷子という意味でした。そして辻は御殿女中の夏服のとして定義された「辻、茶屋辻、晒布」のうちのひとつでもあります。「辻」は御台所や御簾中、大名婦人や高位の奥女中にのみ着用の許された衣服で、「茶屋辻」はその次の身分の方たちの衣服でした。茶屋辻で多用された模様がやがて「御所解」という文様へ発展していきます。