【読み:きりもん】
5.6月に紫色の花を咲かせる桐ですが、文様としてはその季節感とは離れています。
帝王を象徴する鳳凰は桐の木に棲み、竹の実を食べると中国より伝わったことから、桐文は高貴なものとされ、天皇の紋章としての桐紋は菊とともに本来、皇帝専用のものでした。
一説によれば、それが足利尊氏に下賜され、有名なところでは豊臣秀吉に与えられ、さらに彼らが家臣に与え、家紋としての桐紋は広がり、多様になったようです。意匠としての桐文も鳳凰と組み合わせれば吉祥文として季節を問わず、桐だけであってもある種の格とめでたさを表象して、季節に関わりなく用いられています。