【読み:かたゆうぜん】
型紙と写し糊を用いて染める友禅染の技法の一つで、手描き友禅に対する語です。型紙による多色染の型友禅は、明治初期に京都で、合成染料ともち糊を混ぜた色糊(写し糊)が考案されて以来、急速に発展し、現在は着尺地や羽尺地、長襦袢、羽裏、帯地、七五三の女児の祝い着まで幅広く用いられています。手描きの本友禅に比べて量産が可能であり、価格も安くなります。
多色を使って華やかに花鳥、風物を表現する模様染めで、型紙は一色に一枚を要するため、20~50色以上の数になると、何度も型紙を取り替えなければならず、熟練を要するものです。京都をはじめ東京、金沢、新潟の十日町市などが主産地です。