【読み:はまぐりもん】
蛤はマルスダレガイ科に分類される二枚貝の1種で、食用として重要な貝類の一つです。遠浅の砂中に生息し、「浜の栗」が蛤という名称の由来です。2枚貝の中でも特にぴったりと合わさることから婚礼の縁起物とされ、公家や武家では嫁入道具のひとつとされました。2つ並べて蝶のような形にしたり、5つ並べて花の形に見立てたり、平安時代は貝合わせという遊びも流行しました。図柄はぴったりと合わさった蛤を正面から描いており、一つ蛤、三つ盛り蛤、変わり五つ蛤、繋ぎ蛤、蛤、ミルに蛤、丸に真向い蛤、丸に三つ蛤、細輪に三つ尻合せ蛤、糸輪に三つ尻合せ蛤、蛤蝶などの種類があります。藤原秀郷流の青木氏、石場氏などが使用しました。また名字に浜、貝のつく家でも用いられました。