【読み:からはなもん】
唐花は特定の花を指すのではなく、牡丹のような形の中国風な空想上の花のことをいいます。唐花紋は、唐花を紋章化したものです。奈良時代にはすでに使用されており、正倉院の唐櫃、鏡函などに見られます。上流階級に愛好され、やがてそれが家紋に発展したと思われます。
図柄は3~8弁の花弁で描かれており、花弁の実で表された三つ唐花、六つ唐花のほか、ほかの紋と組み合わせた蔓唐花、蔓唐花桜、丸の中に唐花をいれた丸に変わり唐花、中輪に覗き唐花、三つ割り唐花、複数の花で丸をかたどり他の紋と組み合わせた、浮線綾唐花、三つ割り唐花に剣花菱、三つ割り唐花に剣片喰、変形したもので利休唐花、飛唐花蝶、中陰の唐花蝶など数多くの種類があります。松田氏、東條氏、公家の閑院宮家などが使用しています。