【読み:まつざかもめん】
伊勢松阪地方で織られている木綿織物です。
この地方では7世紀頃から伊勢神宮の御衣祭りにお供えする麻と絹の紡織技術が伝わっており、やがて伊勢平野で木綿の栽培が普及するに連れ、木綿織物の生産地に発展しました。
当時縞といえば、緯縞が多かった中で、きりっとした藍の直線的な経縞はかなり新鮮だったと思われます。この縞柄のルーツは、安南の布施、柳条布とされています。鎖国以前に松阪から安南へ渡った貿易商、角屋七郎兵衛によってもたらされた柳条布を見た松阪商人が、そのエキゾチックな柄に目をつけ、日本風にアレンジしたのが始まりです。明治以降は機械織りが盛んになり、いったん途絶えてしまいましたが、昭和55年頃から手織りの松阪木綿を復興させようという動きが始まりました。