【読み:たえ】楮(こうぞ)、藤、栲(かじ)、などの樹皮をはぎ、内皮をとって細長く裂き、これを連結して撚り(より)をかけて糸にして、居座機(いざりばた)で織った、古代衣料のことである。布の触感や外観の差で、粗いもの、純白のもの、しなやかなもの、光沢のあるものなどの区別によって、荒妙(あらたえ)、白妙(しろたえ)、和妙(にぎたえ)、照多閉(てるたえ)、明多閉(あかるたえ)と呼ばれていた。妙の類は、一般用途として広く使われ、純白で清浄なため、神事にも利用されていた。平安時代以降になると、妙は、一般布帛(ふはく)をさすようになり、荒妙は麻布を、和妙は絹布をさすようになった。