身八つ口とは

【読み:みやつくち / みやつぐち】

着物の身頃の脇のあき部分を身八つ口といいます。袖つけの下の、脇縫いを縫い合わせずにあけてある部分です八つ口、みやつともいいます。
身八つ口は女性と子供の着物だけにあり、男物にはありません。これは女性の帯幅が広くなり、また胸高に帯をするようになて上腕部の動きの自由が奪われたことから、手の動作を楽に自由にするための工夫であったといわれます。いわば見えない襠(まち)のようなもので、体の丸みや厚みからくる前後のずれや高さの差を吸収し、カバーしている部分です。そして、子供物の八つ口は、帯代わりの付紐を通すための穴であったといいます。
その他にも八つ口は、通気ができる面から体温の調節や、着付けの際におはしょりや襟元を整えるために手を挿し入れるところ、授乳のときの開口部としての役割もあるといいます。

身八つ口の標準寸法は3寸5分~4寸(約13~15cm)です。年齢や体型に応じて袖付けを変えるようなときには、着物の内揚げが帯の位置からのぞいて見えないように、身八つ口の寸法を加減する必要があります。
例)袖付け:5寸5分 → 身八つ口:4寸
袖付け:6寸 → 身八つ口:3寸5分
袖付け:6寸(身幅が広い場合) → 身八つ口:4寸

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