卍文とは

【読み:まんじもん】

卍そのものは、梵字(ぼんじ)の「万」をあらわす文字です。「万」は、功徳円満を意味し、吉祥の印として用いられます。仏教成立以前、バラモン教では、卍の左旋は女神を、右旋は男神を示すものとして古くから用いられていました。仏教では、仏足跡などに最初使用され、仏教像ができるようになると、三二相の一つとして卍は、仏像の胸に描き込まれました。メソポタミアや中国でも古くから用いられ、ギリシャ、その他ヨーロッパでも広範囲に使用され、無限や宇宙をあらわすものと考えられていました。この卍の原型をなすものは、十字、つまり、太陽神からきたものだといわれています。日本では、旗本の家紋として多く用いられましたが、近年、卍は死者を弔うお寺の紋所のように、吉祥とは逆の意味に受けとめている傾向があります。「右卍」、「左卍」、「変り卍」、「捻り(ひねり)卍」など幾つかの種類があります。

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