隈取とは

【読み:くまどり】

隈をとるという意で、絵画的様式を誇張して、顔面に表現する特殊な化粧法です。おもに、歌舞伎の舞台化粧の一種として使われます。
古くは、古代の埴輪(はにわ)などにも、顔に線を引いたものがみられ、信仰的には生命を守り、敵を威嚇(いかく)するためや、巫女などが常人と区別するために、面に入れ墨などを用いたのも「隈取」の始まりと考えられます。
歌舞伎の「隈取」の創始は、元禄時代(1688~1703)の初代市川団十郎に始まるとされますが確証はありません。むしろ、二代目団十郎や中村伝九郎、山中平九郎らによって、元禄から享保(1716~1735)にかけて完成したと思われます。そして、闊達(かったつ)豪快を好む江戸歌舞伎で発達し、四代目、七代目団十郎らによって、役の範囲もひろがり多様に変化します。

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