【読み:かや】
蚊や毒虫の侵入を防ぎ、安眠するための道具です。「蚊帳」は文献では、『日本書紀』にみられ、鎌倉時代中期の『春日権現験記』には、「蚊帳」をつって寝ている姿がみられます。高貴の人たちの間から始まった「蚊帳」は、武家に移り、江戸時代には、町人にも用いられました。
麻か木綿の萌葱(もえぎ)染めで、奈良や近江の特産でしたが、下賎の者が用いるものは、白紙製で、これを「紙帳」といい、元禄時代から使われていました。
現代は、金網戸と防虫剤の発達により、都会で「蚊帳」をつることはほとんどなくなりました。