【読み:かたみほん】
染物の柄見本のことで巻き見本ともいいます。薄地の縮緬4mくらいのものを、約30cmに区切り、新柄の見本を染つけて注文を取るためのものです。模様にはそれぞれ名前がつけられ、一柄、一柄に通し番号がつけてあるので、型見本で注文すると間違いなく好みの柄を誂えることができます。 全国にある悉皆(しつかい)屋(一般には京染屋)は、この型見本で注文を受け、染工場に依頼する仕組みになっています。染工場では主として春秋に新柄を作り、そのたびに新しい柄見本を作ります。
また、巻き見本は、主に染め替えを目的とするもので、型見本を丸く巻いておくことからのこの名称があります。昭和30年頃から、モデルに新柄のきものを着せ、写真とともに布地の実物見本をつけたスタイルブック型のものが多くなりました。絵羽風の型染が多いため、全体の写真がいるようになったからです。