【読み:かもじ】
髪、または、鬘(かつら)の最初の音である「か」に「文字」という語をそえた「女房詞(にょうぼうことば)」です。
①頭髪のことをさします。
②鬘、つまり、仮髪(かもじ)で、ここでは、「添え髪」と「入れ髪(入れ毛)」をさします。
奈良時代、上層婦人の朝服着用の際の髪型は、丸髢(たぼ)で、室町時代から近世にかけて、御垂髪(おすべらかし)になりましたが、その頭上にも丸髢をそえ、髻(もとどり)[=髪の毛を頭上で束ねたところ]の先には、「長髢」を結びつなげました。また、江戸時代の結髪や、明治・大正時代の洋式の束髪で、とくに大きくふくらませる髪型には、そのふくらまらせる部分に「入れ髪」をしました。