【読み:ほうそうげもん】
「宝相華」は、空想上の花で、主として唐草的な表現であらわされます。西方のパルメット文を基本とし、唐代の写実的な造形の特色から、あたかも実在の花をうつしたかのような表現が完成しました。また、基本の一つに、西方からの伝統をひく柘榴(ざくろ)を含む考えもあり、牡丹(ぼたん)や蓮(はす)などの特色を部分的にとり入れながら「宝相華」という別の花をつくりあげました。吉祥花的な意味をもち、仏教的意匠には欠かすことはできません。日本では、正倉院宝物の文様に多彩に展開されたさまがみられます。