雨具とは

【読み:あまぐ】

雨降りの際に用いる衣類や道具類などの総称です。日本では、古来より「蓑(みの)」[=かや、すげなどの茎や葉を編んでつくった雨具]、「油衣」や「桐油(とうゆ)紙」で雨具としていましたが、16世紀、南蛮の服飾文化が輸入されるようになると、「蓑」に代わって、「カッパ(合羽)」が用いられるようになりました。当初の「カッパ」は、ラシャ仕立てで、ひろげると円形のものでしたが、江戸時代に入ると、きもの仕立てになり、これを「袖合羽」とよびました。「袖合羽」や「丸合羽」は、ラシャが高価であったため、木綿を袷(あわせ)にして、中入れに渋紙や桐油紙を入れて用いました。幕末から明治初頭に「鳶(とんび)合羽」[=俗に「トンビ」]が用いられ、それが改良されて、「二重回し」に変り、「丸合羽」は、「マントー」となって用いられました。それらも日本人の服装が洋風化するに従い、「レインコート」に転じ、材質も絹、木綿、化繊、さらに、ビニール製品など、その時代の好みに合わせて変化してきました。

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