長寿の祝とは

【読み:ちょうじゅのいわい】

長寿の祝にはまず、十二支、十干がその人の生まれた時と同じになる還暦(満六十歳)がありますが、地方によってはこれを厄年の祝とするところもあります。六十歳は再生を意味します。かつては魔よけの意味で産着に赤色が使われていたため、生まれたときに変えるという意味で、赤いチャンチャンコに赤い頭巾など、近親者が赤いものを贈る風習があります。平均寿命の伸びた近年では、古稀は標準で、バリバリ仕事をしている人が多く、喜寿まで長寿祝をして欲しくないという方も多いのですが、昔は喜寿を祝えることは大変珍しいことで、兵庫県の竜野市では喜寿の祝が盛んでした。藩主脇坂安宅が、母堂の喜寿の祝を盛大に祝ったことから、ことのほか喜寿を重要視したようです。輪島塗の重箱を客の数だけ誂えて祝の膳を囲み、引き出物としてその重箱や、名入りの蒔絵の盆、棗(なつめ)などを渡していました。一般的な引き出物には、漆器、陶器などに名をいれたものが多かったようです。 近年、お祝いの品には主賓のきものや身の回りのものなどが喜ばれています。 還暦の次は古稀(七十歳)、喜寿(七十七歳)、傘寿(八十歳)、米寿(八十八歳)、卒寿(九十歳)、白寿(九十九歳)と続きます。長寿を迎えるのは本人の寿命もさることながら、周囲の人たちの心温まる情愛のおかげともいえます。

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