【読み:おしちや】
お七夜とは誕生から7日目の夜に赤ちゃんの健やかな成長を願って行うお祝いの命名式です。生まれたばかりの赤ちゃんは、自分の名前を自分で選ぶことはできないので、周囲が心をこめた名前を考えなければなりません。名前は祖父母か仲人、または尊敬する方たちに依頼するのが習わしです。アメリカでは名付け親になることは大変な名誉で、その子の一生を温かく見守る役を仰せつかることになり、「ゴッドファーザー」と呼ばれます。 命名式の際、赤ちゃんは白の産着を着て、床の間か、神棚に頭を向けて寝(やす)みます。この産着は、帯祝のときの祝白絹を仕立てるのが一般的でしたが、現在ではほとんどがベビー服です。金沢では、丈夫に育ち、鶴のように気高く生きるようにという願いを込めた、「かにとり小紋」という蟹と鳥の模様に宝づくしを合わせた柄の産着を着せる習わしがありました。 命名書は半紙か奉書紙の真ん中に濃い墨で赤ちゃんの名前を大きく書き、右肩に父の名と続柄、左側に生年月日を書き添えます。三方にのせ神棚に供えますが、略式の場合は神棚や床の間などに貼ります。そして出生届(誕生後十四日以内に提出)が終わったら片づけます。この命名書とへその緒を一緒に保存しておくと記念になります。へその緒は「護符」ともいわれ、命が危ない時に飲むといいともいわれました。