針供養とは

【読み:はりくよう】

裁縫の上達を願って、娘たちや仕立て職の人などが針を休め、折れた縫い針などを集めてこれを供養する行事です。中国では、唐以前より針休めの行事が行われていましたが、わが国への伝来は、江戸時代になってからで、明和のころの歌舞伎の外題に「針供養淡島利生」とあるのをみると、かなりあとになってからであると思われます。地域によって、12月8日と2月8日に行ったところ、また、12月8日と4月8日に行ったところ、あるいは、12月8日か2月8日のいずれかに行ったところがあります。元禄時代(1688~1703)の年中行事の書物には、この「針供養」が収録されていないところをみると、これが広く行われるようになったのは、縫い針の製造が盛んになってきた徳川中期以後のことではないかと思われています。当日は、こんにゃくや豆腐にたくさんの折れ針を刺して、それにもちや菓子を供えて川や海に流しました。

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