打乱箱とは

【読み:うちみだりのはこ】

平安時代には、宮廷の調度の一つとして、櫛笥(くしげ)[=くしなどの化粧道具を入れえおく箱]の懸子(かけご)[=他の箱のふちにかけて中にはまるように造った箱]として手拭いなどを入れて用いられたものです。平安時代後期には、髪上げの具、室町時代ごろには、髢(かもじ)[=自分の髪いつけ加えて結う毛。そえがみ]などをいれるのに用いられました。名称は、髪を梳くときに乱れ髪をこの箱の上に入れたからともいわれています。これはのちには、単に「乱れ筥」といわれ、懐中物や、手回り品、衣服などを一時入れておく箱としても使われました。

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