【読み:つのかくし】
浄土真宗門徒の女性が報恩講の参詣に用いた被り物です。幅およそ12cm、長さ72cmの白絹(裏は紅絹)を前髪にかぶせ、左右を二つ折りにして、髷(まげ)の後ろ上で留めるものでした。 現在では、婚礼のときに花嫁がかぶる頭飾りとして広く知られています。
女性は嫉妬に狂うと角が生えて鬼になるという言い伝えから、鬼になるのを防ぐために、結婚式でかぶるようになったといいます。 また、角隠しには「角を隠して夫に従順に従う」という意味が込められているそうです。 花嫁が被り物をかぶるのには、元々長い髪には霊力が宿るとされていたため、新しい家に嫁ぐ際に、災いを一緒に持ち込まないようにするという考えもあったといいます。そのような様々な考えや防寒の目的で、角隠しが花嫁衣裳のひとつとして今日まで残っています。