【読み:とおかまちおめし】
新潟県十日町で織られる御召です。御召とは「御召縮緬(おめしちりめん)」の略で、徳川第11代将軍家斉が好んで着用し、「将軍家の着物(御召料)」としたことから、「高貴な方の御召し物」として「御召」という名がついたといわれています。
御召は、精練して染色した絹糸に、1mの間に2,300回~3,000回の撚りをかけ、右撚り・左撚りの2種に糊付けした緯糸(よこいと)を用いて織られます。湯通しして糊を落とすと、撚りが戻り、縮み(細かいしぼ)が生まれます。一般的な縮緬は織り上げた後に糊を落とす(精練する)ために、撚りの戻りによる表面は均質でさらさらな生地になりますが、御召の場合は先に精練しているため、しゃり感があります。光沢、風合いがよく、先染めの絹織物においての高級品とされます。
また、昭和に「マジョリカ御召」といって大ヒットした御召があります。このマジョリカ御召も新潟県十日町を中心として、昭和34年から約4年間に渡って生産されました。 洋風の柄と銀通しの、キラキラした御召で、地中海のスペイン領マジョリカ島特産のマジョリカ陶器をイメージして織られたといいます。色数の制約が多く、派手なものを作れないという織物の弱点を、緯糸を絣捺染して紋の上に載せる発案で、多色使いに成功された画期的な織物とされます。マジョリカ陶器のようにカラフルで明るい色調が特徴です。