【読み:そけん】
日本の神祇(じんぎ)思想に基づいてつくられた法衣(ほうえ)で、本来、無紋の生絹(すずし)を単(ひとえ)仕立てとします。国家の行事としての重要な法会に用いられました。
形状は、天皇の「御斎衣」の円領(まるくび)を垂領(たりくび)[=衿の上前と下前とを斜めにうち合わせる着装]にかえた形で、一身半の長さのものを、ひきずって着ます。平安時代中期、天台宗の良源がはじめて用いたといわれます。のちには、賜紫(しし)、賜緋(しひ)の許し色のこともあって正色[=青、赤、黄、白、黒]のものも用いられました。
「素絹」には、指貫(さしぬき)の袴(はかま)をつけるのが正式で、石帯(せきたい)とよばれる同色、同布の帯で結ばれます。