【読み:なまつむぎ】
絹は白く光沢のある部分であるフィブロインを、膠質のセシリンが包んでいるようになっています。セシリンがあると、染めが鈍くなる、あるいはきれいな色が出にくいこと、またシャリ感を持つため、絹特有の柔らかさが出にくくなります。そのため、精練でセシリンを取り除いて、よく染まるようにしたり、しなやかさや光沢を引き出します。
生紬は、生糸の精練を途中で終えて、そのセシリンを完全にとりきらずに織ったものです。セシリンの色であるやや茶色味を帯びた色調を持ち、風合いも麻のようにざっくりとしていて、さらっとした張りがあるのが特徴です。その張りを生かして、単衣でも裾捌きのよい着物になるともいいます。