【読み：きぬばかま】
日本の上代の男子の服装です。女子の「衣裳（きぬも）」に対するものです。「衣」は上衣、「褌」は下衣で二部式構成であることを示しています。
中国北方の遊牧民族である胡族（こぞく）の「胡服（こふく）」が、当時日本と貿易が盛んであった朝鮮半島をへて伝えられたものとされています。
その形状は、人物埴輪（はにわ）によく示され、上衣である「衣」は、男女ほぼ同型で、筒袖の短身衣、左前合わせで、胸ひもで留めます。衿は、上領（あげくび）［＝円形の衿］と、垂領（たりくび）［＝衿の上前と下前とを斜めにうち合わせているもの］の二様があります。下衣の「褌」は、古代朝鮮服飾の「犢鼻褌（たふさぎ）」の略語で、たっぷりしたゆるやかなズボンで、足さばきがいいように脛（すね）のあたりを「脚結（あゆい）」というひもで締めて着用します。
「褌」の字は、今日「ふんどし」とよみます。
