【読み:きままずきん】
目だけが出るようにつくられた頭巾のことです。寛保年間(1741~1743)ごろから用いられました。
形は、約60cm余りの長さの布である「錣(しころ)」とよばれるものを、鼻口のところへ垂らして面部を覆う、黒縮緬(ちりめん)に紅絹(もみ)裏でつくられたものと、「角(すみ)頭巾」[=布を二つ折りにして長方形の袋状につくった頭巾]の前面に一幅の錣を垂らして目だけを出す、両面黒縮緬でつくられたものが、男子用として用いられました。女子用の「気儘頭巾」は、これとは形が異なり、「奇特頭巾(きどくずきん)」とよばれているものです。