【読み:かるさん】
「山袴(やまばかま)」、「伊賀袴」、「立付(たっつけ)」、「裾細」の類です。ポルトガル語からその発音がきています。
15~16世紀に渡来した南蛮人が着用したものですが、形式的には、日本従来の「指貫(さしぬき)」や、「括袴(くくりばかま)」に相当します。しかし、当時の日本には新鮮であったらしく、風俗画には、南蛮人にまじって、「小袖」、「肩衣(かたぎぬ)」のうえに「カルサン」をはき、首に「襞衿(ひだえり)」をつけている日本人が描かれています。
江戸時代には、大工、左官、小屋番、呉服屋の手代、魚屋の主人などに用いられました。都市生活で小袖文化が華やかになるにつれて、「カルサン」は、「股引き(ももひき)」に代わり、農村の仕事着に取り入れられるようになりました。