【読み:かこ】
鉸具は鉸具頭といい、馬具の鐙(あぶみ)の頂部にある金具で力革に接続するのに用います。紋章とされたのは尚武的意義によります。承久年間(1219~1221)にはすでに文様として使用されていたらしく、『塵添壒嚢鈔』には「そもそも幕紋の事際限あるべからず」として鉸具紋も紹介されています。 図柄は鐙と力革を繋ぐ金属製のバックルで、中に家紋が添えられることもあります。 鎌倉幕府問注所執事三善氏が使用しています。『見聞諸家紋』には三善氏の一族の飯尾氏や佐波氏、他に高安氏が載っています。『関東幕注文』には善氏、武井氏が「鐙のかく」、下総国の酒井氏が載っています。 静岡県、愛知県、三重県、京都府に分布している家紋です。