糸屋風通とは

【読み:いとやふうつう】

名物裂(ぎれ)の一つです。「風通」は、織物組織名で、経(たて)糸と緯(よこ)糸を二重にし、それぞれの経緯で表裏を交換させて織る、つまり表裏は同一模様ですが、配色は、二重の経緯に応じて逆になる織り方です。「糸屋」とは、この裂が堺の唐糸屋に伝わったことからといわれていますが、詳細は不明です。この裂は、白地に縹(はなだ)色で網代(あじろ)文様を「風通」に組んで地文とし、さらに、金糸で長円形の輪宝の丸文を織り出しているので、「糸屋輪宝」ともよばれています。後渡り(のちわたり)[=1591年ごろ(永禄・天正)までの渡来品]であると思われます。

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