袱紗とは

【読み:ふくさ】

表裏に二枚合わせ、もしくは一枚ものの方形の絹の布です。進物の上に掛けたり、包んだりするために用いられます。 もともとは贈り物を届ける際、道中での日除けや塵除けのため、贈答品の納められた箱の上に掛けられていました。それが「掛袱紗(かけふくさ)」として今日に残っています。

もともとは贈り物を届ける際、道中での日除けや塵除けのため、贈答品の納められた箱の上に掛けらる、絹の方形の一枚布でした。 江戸時代になるとこの覆い布が発展して、裏を付けた二枚合わせとなりました。生地も上質のもの、美的要素が加えられ、贈答の目的にふさわしい図柄を工夫し、縁起の良い動植物(松竹梅や鶴、鴛驚など)や、能の主題、鳳凰、宝船、日の出などがデザインされました。 大きさは広蓋より2割程度大きなものでした。江戸中期になると、贈り物を広蓋に載せて袱紗をかけ、それを風呂敷で包む現在のスタイルになったそうです。 袱紗は家紋を表に、裏を絵柄するのが正式ですが、絵柄を略した家紋のみの袱紗も多くなりました。

また、茶道でもふくさが用いられます。茶道では「帛紗」と書き、道具を拭き清めたり、盆や受け皿の代用として用いられる方形の絹布です。大きさは縦九寸(約27cm)横九寸五分(約29cm)ほどで、羽二重や塩瀬などで作られています。

・掛袱紗 金封や品物を塗りのお盆(広蓋(ひろぶた)、祝儀盆)に載せて、袱紗をかけます。広蓋では、祝儀柄の縮緬の風呂敷で中包みします。その上から紋付の風呂敷で包んで持参します。表に紋の入った掛袱紗は、贈り物を渡すときには、紋を表にします。受け取った側が返すときには裏側を表にして返します。

・包み袱紗(小風呂敷、手袱紗) (こぶろしき、てぶくさ) 金封を持参する場合に使います。金封をむき出しで差し出すのは失礼にあたるので、袱紗に包みます。慶事と弔事では、包み方(向き)が異なります。また、色も向き・不向きがありますので、注意が必要です。台付き袱紗といって、漆盆つきのものもありますが、この場合も台の色が慶長で異なりますので、両面で色分けされています。 大きさは中巾とよばれる約45cmくらいのもの、尺三巾(約50cm)、尺四巾(約53cm)などの種類があります。

・はさみ帛紗(金封帛紗) (きんぷうふくさ) 袱紗の簡易版で、財布型のものです。形が決まっているので金封の大きさによっては入りきらない場合があります。

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