【読み:へこおび】
男子または子供のしごき帯で、大幅(約74cm)もしくは中幅(約50cm)の縮緬地などをしごいて締めるものです。もと薩摩の兵児(へこ・15歳以上25歳以下の男子)が用いたことから、この名になりました。
黒や紺、茶、鼠色などの縮緬や羽二重、木綿などで作られていて、長さは3.5~4mほどです。
生地が柔らかいことや、幅広なので結んだときに体への負担が少ないことから、普段着の帯として明治以降に流行しました。ただし、結び目がだらしなく見える、ほどけやすいなどの理由で、よそ行きには用いられませんでした。
やがて簡単な帯として、兵児帯の利用は広がり、最近は女性が浴衣や軽い小紋に、兵児帯を合わせるケースも多く見られるようになりました。
日本武術のひとつの居合術では、一部の流派で練習刀の帯刀として、稽古着の上から着用されるそうです。また、おんぶひもとして使われるものにも兵児帯と呼ばれるものがあり、ひとくちに兵児帯といっても、いろいろな種類があります。