【読み:はおり】
着物の上着で、防寒や塵除け、おしゃれ目的で着用します。衿は外側に折り返したようになっていて、着物の衿に沿わせるようにして羽織ります。前には乳(ち)と呼ばれる輪があり、そこに羽織紐を付けて、結んで着ます。道行きやコートと違い、室内でも着用していて良いとされます。(ただしお茶席では着用しません。)
丈や生地、色柄については好みや着物との調和によって様々に選ばれます。
裏地をつけて仕立てる「袷羽織」、裏地無で仕立てる「単衣羽織」、「夏羽織」と呼ばれる、夏用に絽や紗、羅、レースなどの涼し気な透けた素材で単衣にする仕立てがあります。季節によって着分けます。(ウールの羽織は単衣仕立てです)
また、「茶羽織」といい、まちや裏地なしで、袖丈を短く、衿幅も細く仕立てる羽織もあります。これは主に普段着用です。
柄には無地や絵羽柄、小紋柄、織柄などがあります。目的や着物との調和で着分けます。
色無地の羽織は着物の柄の妨げにならず、格式高い図柄の絵羽羽織は華やかでやや改まった雰囲気になります。黒の紋付羽織というのもあり、黒の無地に紋が1つ、または3つ入れます。生地には綸子や縮緬で地紋のあるものが多く選ばれます。幾何学模様や雲、波の柄などは慶弔のどちらにも利用できます。黒紋付羽織は御召や控えめな小紋に合わせ、略礼装として、入卒の式や法事等に着用できます。
羽織の丈は好みや着る人の身長、流行によって様々です。袖丈が長い、あるいは短い場合は、袖の長さと身丈のバランスも考慮した方がよさそうです。羽織の普通丈と呼ばれるものは、身長の1/2に2~4cm加えたくらいです。紋付には身長の1/2に4~6cmくらい加えます。丈が膝下の長さになるものは長羽織と呼ばれます。
裄は着物の裄より0.5cm加え、袖丈は着物の袖丈から2cmほどつめると、着たときに着物と羽織の袖がきちんと重なり、振りが美しく見えます。