【読み:はんえり】
掛襟のひとつで、長襦袢の襟に縫いつける掛襟のことです。長さが襟の半分程度であることから、半襟と呼ばれました。もともとは襦袢の襟につく汚れを防止する目的で、付け替えてられる襟を用いていましたが、現在ではそれ以外に、装飾の目的も持つようになりました。
半襟の素材はいろいろあり、縮緬や塩瀬、絽や麻などもあります。半襟にも衣替えがあり、絽や麻などの夏物は6~8月(場合によっては9月のはじめ頃)に使用します。縮緬や塩瀬の半襟は9~5月に用いられます。礼装には白の塩瀬、白の絽を用いるのが一般的です。
今では刺繍やレース、ビーズなどの半襟もあり、目的やコーディネイトに応じて選ぶことができます。礼装では季節や場面などの周囲への配慮が必要ですが、普段には好みでお洒落が可能ですね。
半襟は、顔の近くにくるものなので、色柄の顔うつりや、着物やその他の小物との調和を考えて選ぶと良いでしょう。
半襟は、長襦袢の襟に縫いつけて着用します。最近では縫う以外の方法で、布用両面テープで張る方法や、安全ピンなどで留めるもの、また専用の長襦袢にファスナーで付け替え可能なものなどもあります。
半襟を襟に縫いつけるときには、内側の背中心をぴんと張らせるように、少しつり気味に縫うと襟をぬいたときに美しくなります。襟のラインの好みで、襟芯に三河芯という厚手の木綿生地を使う、またはプラスチックなどの襟芯を通して使うなど、いくつかの方法があります。