【読み:ちょうもん】
蝶文が能装束や小袖に意匠されたのは桃山時代からです。蝶文が好まれてきたのは姿形の優美さ愛らしさもありますが、その変化の様が呪術的神秘性を感じさせたからです。
卵から青虫、毛虫となり、脱皮を重ねて蛹(さなぎ)に、やがて美しい蝶となって舞い上がります。不死不滅のシンボルとして武士の紋章にもなってきました。
一方、「花に蝶」の表現もあるように、次々に飛び移る、寄る辺の定まらないものとの見方で嫌う人もいます。ことに女性のきものでは婚礼の場や正装には気をつけたほうがよいと思われます。