桃文とは

【読み:もももん】

桃は中国伝説に由来して吉祥文となりました。古代、桃は邪気を祓う力を持つ霊木とされ、桃の木で作った弓や桃の枝で悪霊悪鬼を祓う風習があったといいます。
日本に伝わって同じく鬼祓いに桃弓や桃枝が用いられました。また有名な「西王母伝説」もあります。崑崙山中、仙女・西王母が棲む地には桃の木があり、三千年に一度実が成り、これを食べると不老不死でいられるので、西王母は漢の武帝にこの桃を贈ったという伝説です。こういうところから桃、ことに桃の実は吉祥文となったのですが、衣裳文様としては用いられることは少ないです。
日本人独特の季節を表す植物としてより、中国思想をふまえての吉祥文としての用い方です。

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