雲文とは

【読み:くももん】

雲の文様の種類は実に多く、雲と鳥、雲と花、立涌のような幾何学文との組合せと様々です。
雲文には中国の神仙思想を受け継いだ瑞雲、自然の一添景としての雲と二種類があります。前者を日本では霊芝(れいし)雲と呼びます。霊芝とはサルノコシカケに似た茸で、薬でもありますが、この形に似た文様なのでつけられた名と思われます。
一方、平安時代に現れたのは雲の自然な姿を写した横にたなびく形のもので、この種の雲文を俗に「源氏雲」と呼びます。瑞祥の意味はなく、むしろ画面構成の上で雲文が巧みに活用されたのは『源氏物語絵巻』などに見られるとおりです。

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