【読み:きばじんぶつもん】
馬に乗る人物をあらわした文様です。多くは、狩猟の姿で示されています。古墳壁画に素朴な表現がみられ、その他、法隆寺、正倉院などに遺例がみられますが、いずれも、中国、あるいは、西域の風俗を描いたものです。
本来、日本には、騎馬の習慣はなく、その文様もほとんど行なわれなかったとされます。その後も、絵画作品はありますが、純粋の文様としては「賀茂競馬(くらべうま)文様」が友禅染小袖にある程度です。
なお、法隆寺伝来の「四天王獅子狩文錦」(唐時代)は、ペルシャを源にする文様で、天馬に乗る王が、力を象徴する獅子を射るところで、絶大な王の力をあらわすものです。