【読み:かさねのいろめ】
平安時代にはじまった、女性の重ね着の配色美をいいます。その色彩調和は、常に季節感に結びついており、主として四季の草花や自然の色を写しました。
呼び名は、桜襲、松襲など、その季節と情景を表すもので、当時の人々の自然界の流れを受け止める感覚の素晴らしさと同時に、年中行事が自然と結びつき、人々の生活の中に深く浸透していたことが知られています。
襲色目の数は二百にものぼるといわれています。たとえば、春は紅梅(表紅梅裏蘇芳)・柳(表白裏青)・夏は卯花(表白裏青)・花橘(表黄裏青)、秋は萩(表薄色裏青)・女郎花(表黄裏青)・黄菊(表黄裏青)、冬は枯色(表薄香裏青)・氷(表裏白)など、色を重ねることによって季節感を表しました。