【読み：ひおうぎもん】
檜扇は蝙蝠(かわほり)扇の前段にあったもので、平安前期に日本が創作しました。ヒノキの薄板を意図でつないで扇状にし、男子用は文様なし、女子用には胡粉や金銀で華麗な文様を描いたものを儀礼として手にしました。
鎌安倉時代には五色の糸を長く垂らし、袙(あこめ)扇と呼ばれました。宮中では今もなお十二単の装束、それに準ずる礼装の場合は必ず手にし、雛人形もその形を写しています。
檜扇は形が優美なこと、扇面の絵の美しさから、王朝趣味の文様として長く用いられ、明治以降も根強い人気を得ています。末広がりの吉祥性ゆえ季節は問いません。
